実務テンプレ

OEM回答期限(SLA)管理表テンプレ
(スプレッドシート対応:最小運用)

OEMからの調査依頼や監査対応で、一番起きやすい事故は「技術判断のミス」よりも 期限管理の崩壊 です。

現場では、次のようなことがよく起きます。

  • 受領確認は返したが、一次回答期限が台帳に無い
  • 調査中の案件に「次回更新日」が無く、放置に見える
  • 最終回答の期限だけを見て、途中の社内締切が抜ける
  • 担当者しか進捗を把握しておらず、承認待ちで止まる
  • 期限を過ぎた理由が残らず、監査で説明できない

こうした事故を防ぐには、SLAを“見える化”した1枚の管理表 が必要です。
このページでは、そのまま使える OEM回答期限(SLA)管理表テンプレ(スプレッドシート) を掲載し、書き方・運用のコツ・NG例までまとめます。

まず結論:管理表は「4つの期限」を持てば回る

OEM回答期限の管理表は、細かく作り込みすぎると更新が止まります。
最小限、次の4つの期限だけ持てば十分です。

受領確認期限

依頼を受け取ったことを返す期限

一次回答期限

影響あり/なし/調査中の暫定結論を返す期限

最終回答期限

根拠・証跡込みで最終回答する期限

次回更新日

調査中案件で「次にいつ進捗を返すか」を示す日

この4つが並ぶだけで、案件の健康状態がかなり見えるようになります。

コピペ用:OEM回答期限(SLA)管理表テンプレ(TSV)

使い方: 下の枠内をそのままコピーして、Excelやスプレッドシートの「A1」セルに貼り付けてください(タブ区切りで展開されます)。
最初は列を増やさず、この形で回すのがおすすめです。

oem_sla_tracker.tsv
案件ID OEM/顧客名 案件名/テーマ 受領日 相手期限 受領確認期限 受領確認日 一次回答期限 一次回答日 最終回答期限 最終回答日 次回更新日 現在ステータス 対象製品 対象版数(暫定/確定) 担当 承認者 証跡リンク/ID 期限超過理由 備考 例:INC-2026-0101 ○○自動車 CVE-2026-XXXX照会 2026-09-25 2026-09-30 2026-09-26 2026-09-25 2026-09-27 2026-09-27 2026-09-30 2026-09-29 調査中 メーターパネル v2.3.1(暫定) 山田 佐藤 SBOM-12/CHG-88 一次回答済み、版数確定待ち

各列の意味(最初にここだけ決める)

全ての列を完璧にする必要はありませんが、以下の列は運用上不可欠です。

案件ID

案件を一意に追うための番号です。メール件名、回答書、証跡フォルダ名もこれに合わせると追跡が楽になります。

相手期限

OEMや顧客が指定した期限です。これだけを見ると社内の動きが遅れるので、必ず次の社内期限も持ちます。

受領確認期限 / 一次回答期限 / 最終回答期限

社内用のSLAです。相手期限より前に切ることで、「気づいたら間に合わない」を防ぎます。

次回更新日

調査中案件で最重要です。結論が出ていなくても、更新日があれば“放置ではない”と説明できます。

証跡リンク/ID

SBOM、構成表、仕様書、試験結果、提出履歴などの参照先です。監査では、ここがあるだけで強くなります。

使い方のコツ

1. 最初は“色分け”だけで十分

スプレッドシート運用なら、まずは以下の色分け(条件付き書式)だけで回ります。

  • 緑: 期限内
  • 黄: 3営業日以内に期限
  • 赤: 期限超過
  • 灰: クローズ

見た目で危ない案件が分かるだけで、管理の質がかなり上がります。

2. 調査中の案件ほど「次回更新日」を重く見る

一次回答や最終回答よりも、実務で崩れやすいのは「調査中」の案件です。調査中のまま更新日が過ぎると、相手から見ると放置に見えます。

3. 期限超過理由を1行残す

期限を守れないこと自体より、なぜ守れなかったかを説明できないこと が監査では問題になります。たとえば次のように短く残します。

  • 上流回答待ち
  • 対象版数未確定
  • 承認待ち
  • 試験未完了

OTAが絡む案件は“最終回答期限”が伸びやすい

更新や配布方法が絡む案件では、暫定対策は出せても、最終回答の確定に時間がかかることがあります。

特に OTA / 現地更新 / 工場更新 で配布方式が異なる場合、最終回答期限と次回更新日の設計が重要です。最終期限が見えない場合は、一次回答で「OTA配信方針を検討中。次回更新日(XX月XX日)に進捗を報告」のように刻むと安全です。

この記事のテンプレを自社向け(承認体制やSLA)に調整して導入したい方はご相談ください。

【無料】オンライン相談を予約する

よくあるNG例(管理表が機能しなくなる原因)

  • NG1:相手期限しか管理していない
    社内の受領確認期限・一次回答期限が無いと、全部が後ろ倒しになります。
  • NG2:次回更新日が空欄
    調査中案件が放置され、OEMからの督促や監査で弱くなります。
  • NG3:証跡リンク/IDが無い
    期限を守れても、「何を根拠に返したか」が追えません。
  • NG4:担当はいるが承認者が無い
    最後の対外送付で止まります。承認列は小さくても必須です。

Auto PSIRT Cloudで運用する時のポイント

この管理表で使っている列は、そのままシステムのワークフロー項目にも落とせます。

  • 相手期限
  • 受領確認期限
  • 一次回答期限
  • 最終回答期限
  • 次回更新日
  • 現在ステータス
  • 証跡リンク/ID

この形で項目を固定すると、期限管理が人依存になりにくくなります。


FAQ:OEM回答期限の管理について

Q1. OEM回答期限の管理表は、最初に何列あれば十分ですか?

最低限、案件ID、相手期限、受領確認期限、一次回答期限、最終回答期限、次回更新日、担当、証跡リンク/IDがあれば始められます。

Q2. 次回更新日は毎回必要ですか?

調査中案件では必須です。結論が未確定でも、次にいつ更新するかを示すことで、放置ではなく運用中だと説明できます。

Q3. スプレッドシートでも運用できますか?

はい。最初は十分です。むしろ項目を固定して更新できることの方が重要で、ツール移行は後からで構いません。

SLAアラートとタスク管理をシステム化しませんか?

Auto PSIRT Cloudなら、スプレッドシートでの手動管理から脱却し、期限が迫ったタスクのアラート通知や、OEM提出用の回答書(レポート)の自動出力を一つの画面で行うことができます。