入門解説

PSIRTとは
(役割・やるべきことを一言で)

PSIRTとは Product Security Incident Response Team の略で、ひとことで言うと
「製品に関する脆弱性・セキュリティ問題を“受けて、判断して、期限内に返す”ための窓口と運用の仕組み」です。

自動車サプライヤーの現場では、PSIRTは“専門部署”というより、OEMからの照会(CVE影響有無の確認)や監査要求に、根拠付きで回答するための業務フローとして機能します。

UN-R155/ISO/SAE 21434の流れで「運用が回る体制」が求められ、PSIRTがその中心に置かれやすくなっています。

PSIRTがやること(3つだけ覚えればOK)

PSIRTがやることは、大きく分けて次の3つです。

受付(入口の統一) 脆弱性情報・OEM照会・社内検知を「必ずここに集める」
影響判定(トリアージ) 対象製品・対象版数を切り、影響あり/なし/調査中を決める
対外回答(期限内に根拠付きで返す) 結論→根拠→対応方針→証跡(参照先)で、監査に耐える回答を出す

ここが回れば、PSIRTは“立ち上がっています”。

PSIRTとSOC/CSIRTの違い(混同ポイント)

組織名 対象と役割の違い
PSIRT 製品の脆弱性・セキュリティ問題の受付と対応(製品起点)
SOC / VSOC 監視・検知(ログやアラート起点)
CSIRT 組織全体のインシデント対応(社内IT/業務影響も含む)

サプライヤーでは、SOCまで持てないケースが多い一方、PSIRT(窓口と回答の型)だけはOEM要求で必要になることが増えています。

兼務でも回る「PSIRT最小セット」(これだけ整えればOK)

PSIRTは大掛かりに作る必要はありません。最小セットはこれです。

  • 窓口: 共有メール(例:psirt@)または受付フォーム
  • 役割: 受付/技術評価/対外回答/承認
    (兼務可、承認だけは別が安全)
  • SLA目安: 受領確認(1営業日)/一次回答(3〜5営業日)/最終回答(10営業日等)
  • 台帳(チケット): 案件ID、期限、対象版数、結論、根拠、次回更新日、証跡参照先
  • 証跡の置き場: 依頼原本・調査メモ・回答書・提出履歴を1案件に集約

“完璧な結論”より、一次回答(調査中+次回更新日)を返せることが実務では重要です。


FAQ:PSIRTとは

Q1. PSIRTとは何ですか?

製品に関する脆弱性・セキュリティ問題を、受付→影響判定→対外回答まで回すための窓口と運用の仕組み(体制)です。

Q2. PSIRTがないと何が困りますか?

OEM照会や監査で「窓口は?期限内に返せる?証跡は?」に答えられず、回答遅延・手戻り・追加質問の増加につながります。

Q3. PSIRTは専任チームが必要ですか?

必須ではありません。Tier2〜Tier4では兼務で始めるケースが一般的です。まずは窓口・役割・SLA・台帳・証跡の最小セットを固定するのが近道です。

Q4. PSIRTとCSIRTの違いは?

PSIRTは製品起点(脆弱性・製品セキュリティ)、CSIRTは組織起点(社内インシデント全般)です。両者は重なる部分もありますが、役割の主語が違います。

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